「」

「」

「」

「」

「」

「 あ」


「ど、こで、狂っ、て、しまっ、たの、でしょう」

「保、たれて、いた、循環。ルールを、作り、替え、た、から、か。ああ。馬鹿、な、ことを、してしまった」


「ああ」





Hello!_We_had_"gameover"!
The_Leisure_for_8_Knights






「その脆弱な爪では私を殺せません。ベルリク様。
 二度と、あのような姿を、見たくなかったのに」

「好きな世界を作れと、あなたは言ってくれた」

「神の権利を得た時に、この世界の全てが私の中へ流れ込みました。
 それでも、神へと成る前の、閉ざされた世界での記憶が、最も鮮明で」

「__________________」



おとぎ話。
やさしかったお父様。
お母様。
家族のような従者達。
庭木の芽吹き。
拍動。
夜の空気。
幾度も諦めた朝陽。
嘆く民の声。
恐ろしき神々の存在。

あなたとの日々。

別れ。




「全てを得たはずなのに、作れるはずなのに、私は、
 また世界を作ってしまった」

「直していきましたが、やはり無駄でした。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 今のベルリク様、あるいはベル、の形をした、あなたですらも」

「私は『ゲーム』を初めました。
 あまりにも退屈だったので。
 そう、あまりにも退屈なのです。
 皆まがい物なのです。
 私を愛した『あなた』の誰もが、私を殺した。神の権利を奪い、それによってようやく完全な『あなた』が復活する。
 私にひと時の眠りを与えてくれる」

「だけど創り飽きればまたゲームが始まる。
 神の記憶は続いている。
 あなたは『私』を創造した。私が『あなた』を創造したように」

「私が眠りにつかなければあなたは生まれず、その逆も同じ。
 会うことは叶わない。自分以外の他者と。あなたと。決して会えないのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 なんて、残酷に、作り替えて、しまった、のでしょう、か」


「神に戻れば思い出してしまう。
 あなたの言葉も、わたしの言葉も、全てが、設計図をなぞっているだけだと。
 この世界を破壊することも考えました。
 私ごと消えて無くなってしまおうと、幾度も試みました。
 だけど叶わなかった。ああ。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 皆まがい物なのです。
 いくら繰り返しても。いくら繰り返しても。
 まがい物なのです。まがい物なのです。まがい物なのです。まがい物なのです。まが」


「あなたを求めるほどに、
 あなたは、あなたでなくなってしまう。
 わたしとの境目が消え去ってしまう。
 この世には結局、私ひとりしかいないと確信を強めてしまう」

「私は、二度と、あなたの、あのような姿を、見たくなかった。
 狂神となった、私と、同じ顔で嘆く、あなたを……」


「」


「もうやめにしましょう。
 私は狂ったまま創り続けます。
 もう、この世界を作り替えはしません。
 世界と同一化し、何も考えなければいいのですから。
 神が不在の世界で『ゲーム』は始まりません。
 まがい物。
 もう生まれることはない」

「またまがい物に成ってしまう前に。
 私の前から消えて」



「」





「……それでも、私はまだ……」


「」






「……ベルリク様。
 いいえ、ベル。
 おやすみなさい。また創ってあげるから」


 終






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